1月に83歳で死去した写真家の篠山紀信さんをしのぶ会が3日、東京都内で開かれた。親交のあった文化人ら約400人が参列し、劇作家・演出家の野田秀樹さんは弔辞で「人をのせるのが上手で、のせた割には深追いしない。恋愛の達人のような人だった」と故人をしのんだ。
篠山さんは稽古場にも足を運んだといい、野田さんは「決して人を緊張させず、意識させずに、いつの間にか思いもかけないものを撮ってくれました」と述べた。
17歳から約30年、篠山さんの撮影を見てきたという歌舞伎俳優の市川團十郎白猿さんは「人の心に入り込んで、その人の才能を最大限に引き出して被写体を撮るという嗅覚」があったと語った。