厚生労働省は11日、アスベスト(石綿)が原因の疾患で2023年度に労災認定された人や、特別遺族給付金の対象となった人が働いていた全国1233事業所の名称や所在地、従事した作業内容をホームページで公表した。年度ごとの集計を始めた08年度以降で最多となった。このうち新たに公表されたのは975事業所。福島県内では17事業所が公表対象となった。
石綿による肺がんや中皮腫は、発症まで数十年の潜伏期間がある。厚労省は該当事業所での勤務経験者や周辺住民に健康状態を確認してもらうため、毎年公表している。23年度の石綿関連疾患の労災認定は1232件。石綿救済法に基づく特別遺族給付金の支給決定は159件だった。
公表した事業所数が最多となったことについて、担当者は「特別遺族給付金の請求期限が延長されたことが広く周知され、申請が増加したことが要因」としている。
厚労省は12、13日の午前10時~午後5時に特別電話相談窓口を設置する。番号は03(3595)3402。各地の労働局などでも随時相談を受ける。民間団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」も12、13日の午前10時~午後7時、無料の電話(0120)117554で相談に応じる。同会の担当者は「埋もれる被害を掘り起こすためにも、気軽に相談を寄せてほしい」と呼びかけている。
建設業以外=北芝電機(福島市)朝日麦酒福島工場(現アサヒビール福島工場、本宮市)三波鉄工所(いわき市)東京化成工業福島工場(猪苗代町)▽建設業=菅野建築(二本松市)福島鈑金工業(福島市)森電設工業(同)アド・メーク社(郡山市)村越建設(同)太平電気福島支社(同)吉田工務店(同)会津電気工事(会津若松市)千代田建設(猪苗代町)篠沢建設工業(須賀川市)福島県南土建工業(白河市)小野瀬工業堂畑工場(喜多方市)栃本重機(浪江町)