日本原水爆被害者団体協議会(被団協)へのノーベル平和賞がノルウェー・オスロで授与された10日、福島県内の関係者からも喜びの声が聞かれた。
毎年、福島市で戦争の悲惨さや平和の尊さを伝える「ふくしま平和のための戦争展」を開催している実行委事務局長の高橋努さん(52)=同市=は「広島と長崎に被害をもたらした人類の過ちは、二度と繰り返してはならない。被爆者の高齢化と被爆体験の風化が深刻な問題となっている。今後も『戦争をしてはいけない』『核兵器はいらない』と地道に訴え続けていくことが大切」と語った。
父が広島で被爆した矢祭町長の佐川正一郎さん(73)は「昔から訴えてきたことが認められ、一歩前進した。これから世界に核兵器廃絶を発信するきっかけになる」と受賞を喜び、「被爆国は世界で日本だけ。日本が訴えることで世界平和につながるのでは」と語った。