複数の根が枯れた状態となっていた福島県大玉村玉井の国指定天然記念物「馬場桜」について、村は村や県、文化庁の調査などを踏まえ、馬場桜を枯れたと判断したことが11日、村などへの取材で分かった。詳しい原因は特定できなかったが、これまでの調査から、寿命で勢いを失ったとみている。村は国指定天然記念物の指定解除に向けた事務手続きを始めており、指定解除は早くても1年半程度かかる見通し。
県によると、国の天然記念物の指定が解除されるのは極めて珍しい。県内では郡山市の大ヤマモミジの木が1972年に同指定を解除されたのが最後だという。村によると、県が今月初旬までに馬場桜の幹周辺に埋めたコナラの樹木を調べたが樹木を枯れさせる菌の一つである「ナラタケ菌」は確認できなかったという。
馬場桜は昨年6月ごろに全ての葉が落ちた状態が確認され、今年4月から調査を進めていた。村教委によると、村唯一の国指定天然記念物で、最盛期には村内外から多くの見物客が訪れ、観光名所となっていた。