【ソウル共同】武装し、銃を構えた兵士が次々と国会敷地に入った。韓国の尹錫悦大統領が3日深夜、突然「非常戒厳」を宣言し、ソウルの国会周辺は緊迫した雰囲気に包まれた。国会の解除要求決議を経て4日未明、尹氏は解除を表明したが、1987年の民主化から40年近くたって、かつての軍事政権をほうふつとさせる事態が起きた。市民らの衝撃は大きい。
「北朝鮮の共産勢力の脅威から大韓民国を守る」。3日午後10時半(日本時間同)ごろ、尹氏は生中継で談話を発表し、非常戒厳を宣言した。
野党議員らは決議で事態を収拾しようと国会に直ちに集結。記者は4日午前0時過ぎ、国会関係者に交じって塀を乗り越え敷地内に入った。
ヘリコプターが着陸し、兵士らが本館への突入を試みた。国会関係者らは出入り口にバリケードを設置し、消火栓の水を噴射して対抗した。
国会は午前1時ごろ、戒厳解除要求決議を可決。午前4時半ごろ、尹氏は「戒厳を解除する」と発表した。国会内の報道陣らは「一体なんだったんだ」とあきれた声とともに安堵の表情を浮かべた。