【ソウル共同】韓国の尹錫悦大統領は4日未明(日本時間同)、3日夜に宣言した「非常戒厳」の解除を表明し、国会などに展開した軍を撤収させたと明らかにした。国会の要求を受け入れ、宣言から約6時間で解除を閣議決定した。「共に民主党」など野党6党は4日、戒厳令は「憲法違反」だとして尹氏の弾劾訴追案を国会に提出。6日か7日に採決する方向で手続きを進めるとしている。野党だけでは可決に届かず、与党「国民の力」から賛成する議員が出るかどうかが焦点だ。
韓国メディアによると、全閣僚が4日韓悳洙首相に辞意を伝えた。大統領府要職の室長、首席秘書官らも辞意を表明。金龍顕国防相は「あらゆる事態の責任を取る」と述べた。
尹氏は少数与党で厳しい政権運営を強いられており、強硬手段で事態打開を狙ったとみられるが、さらに窮地に追い込まれた。一部野党は内乱罪でも告発。韓国政局は重大局面を迎えている。
弾劾訴追案は国会議員の3分の2に当たる200人以上が賛成すれば可決される。