【ソウル共同】韓国の尹錫悦大統領は4日未明(日本時間同)、3日夜に宣言した「非常戒厳」を解除すると表明し、国会などに展開していた軍を撤収させたと明らかにした。国会の要求を受け入れて閣議決定し、宣言から約6時間で解除した。最大野党「共に民主党」は「違憲的な戒厳」だと非難、尹氏を内乱罪で告発し、弾劾手続きを進めると表明した。金龍顕国防相や李祥敏行政安全相も対象にするとした。
尹氏は支持率が低迷、国会では野党が過半数を占め厳しい政権運営を強いられていた。事態打開を狙って強硬手段に踏み切ったとみられるが、与野党共に批判を強めており、尹氏の求心力回復は絶望的だ。
非常戒厳は戒厳令の一つの形態で戦時などの非常事態に大統領が宣言し、市民の権利を制限できる。戒厳令は光州事件などがあった1980年代初頭以来で、87年の民主化後は初めて。
与党「国民の力」の韓東勲代表は4日、尹氏に対し「この悲惨な状況に対して直接、詳しく説明すべきだ」と述べた。非常戒厳を建議したとされる金国防相の即刻解任も要求した。