【3】作品から伝わる父の愛 俳優・一色采子

2018/10/17 08:30

  • 有料記事
悠々自適に毎日絵を描いていた父。私は絵を通して父の愛を感じることができる(1980年「爽涼」・県立美術館蔵)

 大山家の家風は、周りの家とは違っていた。  父と話す時は敬語。「お父さん、何々して」というような感じで話したことはない。「お父さま、食事の用意ができました」とか「お客さまがお見えです」などと話していた。  同級生のお父さんのように、日曜日にどこか一緒に出掛けたり、父が学校の運動会や授業参観に来たこともない。父は毎日、夜中まで自宅の画室で絵を描いていたが、私たちは仕事の邪魔にならないように、画...

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line