2013年、東京電力福島第1原発事故を教訓に「新規制基準」が導入され、国内全ての原子力発電所に安全対策の強化が義務づけられました。この基準では、地震や津波、火山の噴火、竜巻、森林火災などへの対策が強化されています。
特に、新規制基準では安全上重要な施設を「活断層」がない地盤に設置することが求められています。では、この「活断層」とは何なのでしょうか。その説明のために、まず地震の仕組みからお話しします。
日本は「地震大国」として知られています。世界中の地震の約10分の1が日本やその周辺で発生しています。その理由の一つが「プレート」と呼ばれる地球表面の岩盤の動きです。
日本は四つのプレート(太平洋プレート、フィリピン海プレート、北米プレート、ユーラシアプレート)の境界に位置しています。これらのプレートは少しずつ動いており、特に海のプレートは年間数センチから10センチ程度の速度で陸のプレートの下に潜り込んでいます。
この動きで陸のプレートが引きずられてひずみがたまります。やがてひずみが限界を超えると、引きずり込まれた陸のプレートの先端が跳ね返り、その衝撃が「海溝型地震」を引き起こします。11年の東日本大震災もこのタイプの地震です。
ただし、地震の仕組みはこれだけではありません。16年の熊本地震や24年初頭の能登半島地震は、別のメカニズムによるものでした。