政府が、防衛力強化のための増税開始を2027年度に1年先送りした場合、必要な財源が3千億円前後不足する可能性があるとの試算をまとめたことが5日判明した。防衛増税を巡っては法人、所得、たばこの3税の増税開始時期が焦点。現在議論している税制改正で、26年度からの増税開始を決めれば、防衛力強化に必要な税収による財源1兆円強が確保できると分析した。
自民党は月内にまとめる与党の25年度税制改正大綱で、増税開始時期を26年度と明記することを検討している。ただ、税制改正協議を続けている国民民主党は、防衛増税に反対しており、早期に結論がまとめられるかどうかは見通せない状況だ。
政府試算によると、近く3税増税を決め、年明けの通常国会で関連法案が成立すれば、26年度に6千億円程度の税収が見込める。27年度は1兆1千億~1兆2千億円程度が確保でき、合計で1兆7千億~1兆9千億円の財源が得られる計算だ。
逆に1年先送りとなった場合は、27年度時点での税収増が8千億円程度にとどまり、必要となる1兆円強に及ばないことになる。