年末年始の交通事故防止県民総ぐるみ運動が、きょうから来年1月7日まで展開される。運動のスローガンは「今日もまた あなたの無事故 待つ家族」だ。悲惨な事故をなくすために「自分は大丈夫」という思い込みをなくし、無事故、無違反で家族の元に帰ろう。
県警によると、今年は歩行者が死傷する事故が増えている。5日現在、歩行者が死亡した事故は前年同期と比べ4件多い、19件に上る。日没が早く、日の出が遅い年末年始は事故が増える傾向にあり、細心の注意が必要となる。
暗い時間帯に重大な事故が起きやすい要因の一つに指摘されているのが、ドライバーや歩行者らの心に生じる油断だ。早朝や深夜は交通量が少なく、車の速度を出しやすい。さらに「歩行者はいないだろう」というドライバーの思い込みがハンドルやブレーキの操作を遅らせ、事故につながる。
暗く視認性が悪い時間帯は、歩行者の発見が遅れやすいと認識することが重要だ。ドライバーには、速度を抑制し、ハイビーム主体の運転で歩行者をいち早く見つけることが求められる。
歩行者の中には、季節を問わず決まった時間に散歩などをする人がいる。冬の早朝の場合は、夏よりも暗いため車との距離を見誤りやすい。「車は遠くを走っている」と思って道路を横断しても、瞬く間に事故に遭う恐れがある。
徒歩で出かける人は、できる限り明るい時間帯に用事を済ませてほしい。どうしても暗い時間帯に外出する際は交通ルールを守るとともに、夜光反射材や懐中電灯などを使い、ドライバーに気付いてもらうことが大切だ。
年末年始は忘新年会などで酒を飲む機会が増える。県警によると、飲酒運転で摘発されたドライバーの多くは、運転代行で帰宅しようと考えて酒席に参加しているという。しかし代行がつかまらず、「このくらいの酔いなら大丈夫」といった全く誤った判断で、ハンドルを握ってしまう。
酒席には車ではなくタクシーやバスなどで参加しよう。やむなく車で出かける際は代行の予約が欠かせない。代行がつかまらないことを見越してタクシーやビジネスホテルを予約するのも、事故や違反を避けるのに必要な出費だ。
二日酔いのまま運転し、通勤中に違反や事故を起こすケースが後を絶たない。少しでもアルコールが残っていると感じたら、公共交通機関を利用すべきだ。感覚だけで判断せぬよう、飲酒の機会のあるドライバーには、家庭でのアルコール検知器の活用を勧めたい。