若松味噌(みそ)醤油店(南相馬市)で専務を務める若松真哉さん(46)は、浜通りの新たな特産品作りに取り組んでいる。自社の米こうじと浜通りのトマトを使った新商品「味噌蔵のトマト糀(こうじ)あま酒」を開発し、発売した。
新型コロナウイルスによる影響で需要が見込めず、一時は発売を断念しただけに、若松さんは「発売までの道のりは甘くなかったが、とても甘い味わいに仕上がった」と納得の表情を浮かべた。ワンダーファーム(いわき市)が栽培したトマトを使った甘酒シリーズの第2弾。8月中旬までの期間限定で販売する予定だ。
当初は2020年のJR常磐線全線開通に合わせて発売を計画していたが、コロナ禍で中止した若松さん。「浜通りには特産品がない」と言われた知人の言葉が忘れられなかった。「ここで終わってたまるかと思った」。原料やラベルのデザインなどを見直し、発売に向けて準備を進めてきた。
南相馬市産のコシヒカリやトマトのピューレを使用し、米こうじの甘さとトマトの酸味が絶妙な味わいだ。ラベルには相双地方の伝統行事「相馬野馬追」の騎馬武者と、総大将が背負う母衣(ほろ)をイメージしたトマトをデザインした。24日には南相馬市で試飲会を開催し、好評を博した。
若松さんは「お土産や健康、美容。いろんな用途に使ってもらいたい。それが浜通りの魅力発信につながるから」と願いを込めた。
720ミリリットルで価格は1404円。賞味期限210日。若松味噌醤油店をはじめ、同市の道の駅南相馬、セデッテかしま、いわき市のワンダーファームなどで販売している。問い合わせは若松味噌醤油店(電話0244・46・2016)へ。