伝統工芸品に現代的なアイデアを取り入れた作品を表彰する「全国伝統的工芸品公募展」で、浪江町大堀地区に伝わる大堀相馬焼のタンブラーが伝統的工芸品産業振興協会賞に選ばれた。同協会が29日までに発表した。
作品の名前は「ふたたび Soma Dual Layer Tumbler(ソーマ デュアル レイヤー タンブラー)」。大堀相馬焼いかりや窯(白河市)の山田慎一氏、ろくろ職人の吉田直弘氏、デザイナーの金盛友実氏でつくる「Koquela(コケラ)」が手がけた。大堀相馬焼が誇る「二重焼き」の技法を生かし、保温性に優れて外側が熱くならないタンブラーを制作した。見た目の美しさや、現代のライフスタイルに合った伝統工芸品の姿が評価された。受賞を受け、山田氏は「普段使いのできるタンブラーで、日常に伝統を感じさせる作品を作ることができた」と述べた。
表彰式は来年1月17日、東京都で行われる。最高賞の内閣総理大臣賞には、平山日用品店(京都府)が制作した「patol stool HINOKI(パトル スツール ヒノキ)」が選ばれた。