南相馬市の飲食店で30日、相馬野馬追の関係者に縁起物として食されてきた「カツオ」を使った新メニューの提供が始まった。ギョーザや天ぷらなど20店舗が独自メニューで、南相馬の食の魅力を発信している。
市によると、南相馬の各家庭では、相馬野馬追の時期に縁起を担ごうと「戦に勝つ」としてカツオを食べる風習がある。小学校の給食に出されるなど、市民になじみ深いことから市が事業者に開発を依頼。「カツオを味わえるまち」として観光誘客につなげる。
地元グルメの開発は市の長年の課題と指摘する声もある。市旅館ホテル組合長でホテル「ラフィーヌ」社長の後藤悦宏氏は「南相馬はビジネス利用の客が多く、観光誘客の意識が薄かった。『南相馬のグルメ』を開発するという機運もなかった」と説明。同ホテルもメニュー開発に協力し、ホテルのレストランで「カツオの焼漬け寿司」を提供する。
市のキャンペーンも始まった。提供店舗で料理を撮影してインスタグラムにハッシュタグ「#南相馬かつおグルメ」と付けて投稿すると、100人に500円分のQUOカードpayが当たる。期間は来年1月31日まで。
提供店舗とメニューは専用ポータルサイト(https://umasoma.jp/)で確認できる。