中国の地方政府が不動産開発にのめり込んだ背景には、財政面での中央政府とのいびつな関係がある。独自財源に乏しく経済成長の達成も求められる中で「土地財政」に傾斜し、公共サービスやインフラ投資に必要な経費をまかなってきた。
2023年の一般会計では、収入面では中央と地方がほぼ半々で分け合うのに対し、支出は地方が86%を占め、中央はわずか14%だった。地方は構造的な財源不足に苦しみながら、教育や社会保障といった基本的経費を負担してきた。
代わりに地方に認められた自主財源が土地売却収入だ。地方官僚にとっては経済成長が自身の出世につながることもあり競うように土地開発を進め、バブルの狂乱下で収入を大幅に拡大させた。
こうした手法が限界を迎えているのは明らかだ。国際通貨基金(IMF)は急膨張する地方債務に対して「財政の枠組みから改革する必要がある」と警鐘を鳴らす。
中国共産党は7月に開いた第20期中央委員会第3回総会(3中総会)で、中央と地方の財政をよりバランスの取れた形に見直す方針を決定した。(北京共同)