【プノンペン共同】カンボジアの旧ポル・ポト政権による1970年代の虐殺を裁いた特別法廷で上級審判事を務めた野口元郎弁護士が28日、訪問先のカンボジアで講演し、厳格な刑事手続きで事実を立証し「正義を実現した」と成果を強調した。
野口氏は2006~12年に同判事を務めた。首都プノンペンで政府関係者や学生を前に講演。06年に正式発足した特別法廷に「多くの被害者や市民が参加した」と指摘。加害者と被害者が共存する社会の融和に貢献したとの考えを示すと、拍手が送られた。
ただ22年までの約16年間で、起訴されたのが5人にとどまったとも言及。複雑な仕組みで裁判の進行に時間がかかったと述べた。