2日午前9時50分ごろ、喜多方市熱塩加納町山田字宇津野丙で「空き家にクマが入り込んでいる」と宇津野行政区長が市を通じて喜多方署に通報した。同署などが空き家に体長約1メートルのクマ1頭がいるのを確認。市鳥獣被害対策実施隊が約4時間後の午後2時ごろ、追い払い用の花火を鳴らし、クマは山林に逃げた。けが人はいなかった。
同署や市によるとクマは空き家の軒下部分の物置に侵入していた。ふんの量などから数日前から空き家内に侵入していた可能性がある。空き家周辺では近隣住民が11月30日正午ごろにもクマ1頭を目撃していた。空き家近くの柿の木の実数個が食べ荒らされ、枝を折られる被害が確認された。
現場はJR喜多方駅から約9キロ北の山間部にある集落。同署は集落を一時規制したほか、宇津野行政区長を通じて近隣住民に自宅にとどまるよう呼びかけた。
市は3日以降も周辺で追い払い用の花火を放つほか、柿などの未利用果樹の撤去も検討している。
クマを目撃した空き家の管理者から相談を受け、市に通報した宇津野行政区長の男性は「集落にクマがいるのは驚かないが、民家に居座るというのはこれまでなかった」と話した。