石川県立輪島漆芸技術研修所(輪島市)は3日、能登半島地震の影響で延期していた入学式を8カ月遅れで実施した。伝統的工芸品「輪島塗」を代表とする漆芸文化が根付く地で、15人の漆芸家の「卵」が待望の第一歩を踏み出した。
漆塗りの技法「きゅう漆」で重要無形文化財保持者(人間国宝)の小森邦衛所長は式辞で「地震、豪雨とやまぬ災害に不安や恐怖を抱いていると思うが、屈することなく大きく成長し、目標に向かってまい進することを切望する」と述べた。
研修所によると、新入生の15人は10~50代の男女で、県内を含む11都府県に加え、海外出身者も名を連ねる。今年4月に入学する予定だった。