公立中学校の部活動を地域団体などに委託する政府の改革「地域移行」を巡り、熊本市教育委員会は28日、希望する教職員には報酬を払った上で部活指導に当たらせることで中学を拠点とした部活を継続するなどとした報告書案を公表した。
部活顧問には1600円、副顧問は千円の時給を支払う方針。2024年度中に正式決定し、27年度中の実施を目指す内容で、市教委は「全国に先駆けて地域との連携の具体的な方針を示した」としている。
報告書案は、有識者検討会から提出された答申を基に市教委が作成した。希望する教職員に加え、大学生や会社員ら計約1600人が部活動を指導すると想定。報酬などとして年間約6億5千万円が必要と試算した。部活動に参加する中学生1人当たりの保護者負担は月額約3千円と見込む。
地域移行は、公立中の教員が指導を担っている部活動を、地域団体や民間事業者に委託する改革。国は、地域の実情に応じて可能な限り早期の実現を目指すとし、23~25年度を改革推進期間としている。