東電、浪江原告団に直接謝罪 3月に集団訴訟和解成立

12/01 07:35

鈴木団長(左から3人目)に謝罪文を手渡す秋本代表(同2人目)=浪江町

 裁判外紛争解決手続き(ADR)が決裂し、東京電力福島第1原発事故で避難した浪江町民が東電に慰謝料などを求めた集団訴訟の和解成立を受け、東電は30日、浪江町で原告団に直接謝罪した。

 東電福島復興本社の秋本展秀代表が小早川智明社長名の謝罪文を読み上げ、「生活に取り返しのつかない被害と混乱を及ぼしたことに心から謝罪する」とした。2013年に町民の代理人として町が慰謝料の増額を求め、原子力損害賠償紛争解決センターに手続きを申し立ててから10年以上にわたって解決しなかったことには「大きなご負担をかけたことに心からおわび申し上げる」と述べた。

 東電からの謝罪を受けて原告4人が意見を述べた。原告団の鈴木正一団長は「言葉だけの『被災者に寄り添う』はもうたくさん。復興事業の執行で原発事故加害者としての罪を償ってほしい」と訴え、復興に向けた取り組みの実施などを求める要請書を秋本代表に手渡した。訴訟は第1陣で、今年3月に和解が成立。第2陣では26人16世帯が賠償を求めている。

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