【サンマルティーノディカストロッツァ共同】登山界最高の栄誉とされる「ピオレ・ドール賞」の今年の授賞式が10日、イタリア北部で開かれた。7月に世界第2の高峰K2で滑落した登山家の平出和也さん=当時(45)、長野県出身=と中島健郎さん=当時(39)、奈良県出身=が受賞。代理出席した家族とともに、世界の登山関係者が2人の偉業をたたえた。
サンマルティーノディカストロッツァに設けられた式典会場には約100人が出席。平出さんの妻尚子さん(46)、長男志尽さん(9)、長女如野さん(6)、中島さんの妻妙さん(35)が登壇し、本人に代わってトロフィーを受け取った。
ピオレ・ドール賞はフランスの山岳雑誌などが創設。2人は昨年7月にパキスタンのティリチミールの未踏北壁に初登頂したことが評価された。平出さんは4回目、中島さんは3回目の受賞となった。
受賞者スピーチでは、尚子さんが写真や映像を交えて2人の挑戦を紹介。「2人は永遠に心の中で生き続ける」と言葉を詰まらせると、会場は総立ちで拍手を送った。