中国電力は7日午後、島根原発2号機(松江市、82万キロワット)の原子炉を起動し、再稼働する。島根原発は全国で唯一、県庁所在地に立地。30キロ圏には全国3番目となる約45万人を抱え、避難の実効性が課題となる。2号機は過酷事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型。同タイプとしては東北電力女川原発2号機(宮城県)が10月に再稼働、島根2号機は2基目となる。
中国電は7日、午後3時までに制御棒を引き抜き原子炉を起動する見通しだと明らかにした。発電所の状態を示すデータを確認する作業を進めているという。起動後、2時間をめどに核分裂反応が安定的に続く「臨界」に到達する見込み。12月下旬に発送電を開始し、翌1月上旬の営業運転再開を目指す。
島根2号機は1989年に営業運転を開始。定期検査のため2012年1月に停止した。中国電は13年12月、再稼働の前提となる審査を原子力規制委員会に申請し、21年9月に合格。安全対策工事を完了させ、24年11月に核燃料装填を終えた。