【ソウル共同】韓国の尹錫悦大統領は7日(日本時間同)、テレビで国民向け談話を発表し、「非常戒厳」宣言で国民を不安にさせたとし「心からおわびする」と述べた。自身の「任期を含む今後の政局安定策」については、与党「国民の力」に「一任する」と述べ、任期短縮も受け入れる考えを示唆したが、辞任には直接言及しなかった。
国会(定数300)は7日午後5時に野党側が戒厳令は憲法違反だとして提出した弾劾訴追案を採決する。国民の力から8人以上の造反者が出るかどうかが焦点で、尹氏は談話で党の理解を求め、可決の回避を図ったもようだ。
韓国メディアによると、尹氏の談話を受け、弾劾訴追案への賛成を表明していた与党議員2人のうち、1人が反対に転じた。
尹氏が公式に発言するのは、4日未明に戒厳令解除を発表して以降初めて。戒厳令は「大統領としての切迫感によるものだった」と説明。宣言による「法的、政治的な責任問題を回避しない」とし、懸念されている2度目の戒厳令は「決してない」と強調した。