政府が年内に取りまとめる中長期のエネルギー政策指針「エネルギー基本計画」の改定案に対する自民党の提言案が6日分かった。「次世代革新炉の新規建設を着実に進めるべきだ」と明記し、原発の建て替え推進を打ち出すよう求める。原発と再生可能エネルギーは、エネルギー安全保障に寄与し脱炭素効果の高い電源と位置付け「最大限活用することが必要不可欠だ」と訴える。
自民は6日、総合エネルギー戦略調査会を開いて提言案を議論し、梶山弘志調査会長に対応を一任した。会合での意見を踏まえ文言を調整し、近く政府に提出する。
原発新設には20年程度を要するとされる。デジタル化の進展に伴い電力需要の増加が見込まれる中、原発を建設しなければ設備容量は2040年度以降急減が見込まれる。このため、提言は新規建設に関し「さまざまな法手続きなどの円滑化に最大限取り組む」と強調し、政府に建設支援を促す。
21年に閣議決定した現行のエネルギー基本計画では、東京電力福島第1原発事故を受け「可能な限り原発依存度を低減する」との姿勢を維持している。