人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った網膜の細胞をひも状に加工し、重い目の病気の患者に移植する治療について、神戸市立神戸アイセンター病院は来年1月にも、厚生労働省に医療費の一部に公的保険が適用される「先進医療」の申請をする方針を固めた。同病院が5日、取材に明らかにした。
同病院によると、対象となっているのは網膜の疾患「網膜色素上皮不全症」。治療では、光を感知する機能の維持に関わる「網膜色素上皮細胞」をiPS細胞から作製しひも状に加工した。2022年以降に臨床研究として、網膜色素上皮不全症の患者3人への移植を実施した。経過は順調で、目の見え方が良くなった患者もいるという。
先進医療の対象になると、通常の治療と共通する部分である入院費など一部に公的保険が適用される。病院の担当者は「認められればより多くの患者を救えるようになる可能性がある」と話した。