秋田大は17日、浅田レディースクリニック(愛知県)との共同研究で、受精直後の人の受精卵が細胞分裂でどのように変化していくか、詳細に観察することに成功したと発表した。細胞内の特定の構造が受精卵の性質を左右するといい「不妊症の原因解明などに役立つ可能性がある」としている。
チームは不妊治療で余った受精卵を患者の同意を得て使用した。受精卵を特殊な蛍光色素で着色して、高解像度の顕微鏡で観察。細胞分裂の過程で染色体を分配する役割を持つ「紡錘体」が異常な形態で多く形成されることを突き止めた。紡錘体に異常があると、一つの細胞に複数の核ができる割合が高く、妊娠率や出産率の低下につながるという。