浪江町大堀地区に伝わる大堀相馬焼の窯元「陶吉郎窯」の展示会「大堀帰還展 希望の灯火(ともしび)」が6日、町内の大堀工房で始まった。東京電力福島第1原発事故に伴う全町避難を経て大堀地区に帰還し6月に工房を再開してから初めての企画展で、鎮魂の祈りを込めた新作キャンドルスタンドなどを展示している。11日まで。
大堀地区は原発事故で帰還困難区域になったが、その一部地域が昨年3月末に特定復興再生拠点区域(復興拠点)として避難指示が解除された。陶吉郎窯は唯一、同地区で工房と店舗を再開している。
企画展では、窯元の陶芸家近藤学さんと長男賢さんの作品を展示。大堀相馬焼の伝統技法に現代アートを組み合わせ、賢さんが制作したキャンドルスタンド「シャンドリエ」も並んでいる。近藤さんは「大堀相馬焼の産地として、大堀地区の未来をともす光になればと思い企画した。普段使いの器も含めて魅力を感じてもらいたい」と話す。
7、8の両日は、町内の柴栄水産の「請戸もの」のヒラメと、鈴木酒造店の日本酒を陶吉郎窯の器で楽しむ試飲・試食会も開かれた。